素人ソフィストの脳内

考え事、たまに趣味

愛犬絹氏へ

最近、うちの愛犬の絹氏がボケてきた。すすり泣きが増え、朝早くに起こしてくるようになった。また、最近はしばしば吐くこともあり、検査もしたが異常はなかったので一安心だ。

絹氏は私が5歳の頃にうちに来た。今はもう14歳ですっかり老犬である。若い頃のやんちゃさはなくなり、落ち着いているが、スイッチが入るとソファーをガリガリしたり(うちではそれを絹氏の筋トレと言っている)、狂暴になったりする。そしてなりより食欲が全く衰えていないのが救いである。

私のうちでは以前にもう一匹犬を飼っていたが、17歳で亡くなった。長生きな方ではあるが、亡くなったときはもう少し優しくしてあげればよかったと後悔の涙が止まらなかった。だから、絹氏がこうなるのも分かっていたし、そうなっても後悔しないように優しくしようとしても絹氏がうるさいときには苛立ってしまうこともあった。

たとえ後悔しないように接していてもいなくなったときを想像すると耐えられない。できることはした、後悔はないとなるとは思えない。笑顔で見送れるとは到底思えない。無理だとはわかっているが、ずっと一緒にいてほしい。

よく、終わりがあるから価値がある、美しいと言われるが、そんなことはどうでもよい。価値がなくてもいい、美しくなくてもいい、だからいつまでもただ一緒にいてほしい。たまに怒ってしまうけど一緒にいてくれるだけで私は幸せになれる。散歩も行くし、ご飯もあげるし、ソファーが傷つくのであまりしてほしくはないが、そばにいてくれるのなら筋トレも自由にさせてあげるし。私もできることはして絹氏に幸せになってもらいたい。だから、どうかずっと一緒にいてほしい。それが私の小さくも最大のわがままである。